最終話            巫女と儀式

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《『時計塔』を修繕し(ルーティス・ロッド・リペリア)》  ペケットが呪文を唱えると、咲江達が持っている宝珠が光を放った。 《二つの時を安定させて下さい(セカン・ルーフェ・タクトフォース・ローラル・トラフォース)》  次にそう唱えると、魔法陣全体が光り出す。 《時の精よ!(タクト)》  ペケットが呪文を唱え、錫杖を魔法陣に突き立てると、『時計塔』全体が光を放った。『時計塔』を包み込んでいる全ての時計の針が円を描くように回転し始める。それと同時に文字盤が〃12〃から順番に反時計回りに、バリンと音を立てながら、消滅した。全ての数字が消滅した瞬間、『時計塔』から放たれた光が『時空世界』全体を包み込んだ。咲江と彼方はまぶしさのあまり目を閉じた。その時にペケットが微笑んだ気がした。
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