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それは私の意地なのか?
果てた瞬間は瞼を閉じ続けた私。
快楽の果て…当たり前のことだと思っていたのに、ここ数ヶ月、ヒロキが果てたところを見たことは一度もなかった。
(やっぱり原因は私なのかな)
妻なのに夫が満足出来るセックスも出来ないなんて…。
これからも、ずっとこんな風にお互い気まずい思いをしていかなければならないのだろうか。
その夜は眠れなかった。
ヒロキに背を向け、枕を濡らしながら夜が明けた。
翌朝、腫れた瞼をした私を心配していたヒロキ。
それなのに私は、優しく微笑むだけ。
黙秘することしか出来ない。
何でも言い合える嘘偽りのない夫婦を目指していたのに…少しずつ少しずつ、その思いが失われていく。
自信喪失していく。
…
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