真っ暗

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真っ暗な場所で、僕は目覚めた。   ここが何処かはわからない。   …………とめなくちゃ。   歩き回っていると、人の悲鳴が聞こえた。   1人や2人だけの悲鳴じゃない、たくさんの人の悲鳴だ。   悲鳴をたよりに真っ暗な場所を進んでいくと、何人かの人の姿が見えた。   …………とめなくちゃ。   包丁を右手に持った男が、たくさんの人たちを次々に切りつけていた。   なぜかは知らないが、僕はその男の人をとめなければならないようだ。   僕は男の前に立った。   男は立ち止まった。   …………とめなくちゃ。   僕は、『僕の右手に持った包丁』で男を刺した。   何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も、僕は男の体に包丁を突き刺した。   僕の意識が消えるまで……何度も   …………とめなくちゃ。             俺は目覚まし時計の音で目が覚めた。   いつも通りに制服に着替え、朝食を食べながらテレビでニュース番組を観る。   ニュースでは、昨日おきた通り魔事件の特集をやっていた。   その通り魔は、昼の商店街に現れ、通行人を右手に持った包丁で数人切りつけたあと、その右手に持った包丁で自分のことを何度も刺したらしい。   俺は食器を片付け、いつも通り学校にむかう。   いつも通りに…
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