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「真子と千嘉が喧嘩して、二人で帰ってから、千嘉が急に公園へ戻ったの。何も言わずによ!
私が後を追うと千嘉が公園で立ってるの。……そしたら、千嘉が………あの人形を手にしてブツブツ言いながら自分の首にナイフを……………………うっ……」
そこまで言うと、明美は口元に手を押さえて、泣き出した。
その代わりに碧が続きを話し始める。
「千嘉さんは、首から大量の血を吹き出したまま、そのまま川に転落したんですが、その顔が不気味にも笑ってたんです。苦しいはずなのに、笑ってたんですよ!!しかも、携帯で誰かに話をしながら川を流れて………」
「………携帯電話?………それで?千嘉と人形は!?」
「千嘉さんは見つかりましたけど、人形はわかりません……。どうしましょう、真子さん………私達も殺されるんですか!?」
「………ひぃっ!!!……
イヤだ………死にたくない………私は死にたくないっ!!!!!」
震えながら祈り続ける明美に寄りそう碧も、顔は蒼白そのものだった。
その内、警官が呼んだ救急車が到着すると、明美と碧は千嘉の遺体と別の救急車で病院に運ばれた。
真子がその場を立ち去ろうとすると、警官が呼び止める。
「君が遠野真子さんだね。被害者の携帯記録を見て、最後に君に電話していたみたいなんだが、何か聞いてる?」
真子は無言のまま首を横に振ると、警官が携帯を見せる。
「それじゃあ、この番号はわかるかな?君にかける前にこの番号からかかってきてたみたいなんだけど」
「……見たこともないです。すみません」
「そうか。ご協力ありがとうございました」
警官がいなくなると、真子は自宅へと戻った。
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