第二話

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やがて人形は灰になり、桜華の手から跡形もなく消え去る。 透は真子の両手を胸に合わせると、美咲を抱き上げ、桜華の方へ歩いてきた。 「………君たち……。早く出ていった方がいい。人が来たら大変だろ?」 「……………ごめんなさい。私はその人を………」 「……桜華………。遠野様の対価は………」 「わかってる!!! 人の命を奪ったものは、例えどんな理由であろうとも、その代償は大きい………。それほどに命を奪う罪は重い………。だけど!!今のは人形の暴走だった………彼女のせいじゃ………」 桜華が自己嫌悪に陥っていると、英介が桜華の肩に手を置いた。 「君は俺達を守ってくれた。でなきゃ、みんな死んでたよ………。君には本当に感謝してる。ありがとう」 「……………!!? ありがとう………今までで初めて聞いた…………。 こちらこそ、ありがとう…………」 英介の言葉を聞き、桜華の目には涙が溢れていた。  
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