187人が本棚に入れています
本棚に追加
/236ページ
聖光学院、高等部が授業再開してから一ヶ月が過ぎようとしていた。
もうじき本格的な夏が訪れようと、陽射しは日増しに暑くなる。
衣替えになり、校内は夏服の制服で溢れかえるが、一人だけまだ冬服で登校している生徒がいた。
「おはよう、桜華♪♪って、あんた暑くないの?」
「うわぁ~。冬服なのに、顔色1つ変えないなんて、桜華すごぁ~い!!」
「うわぁ~………じゃないでしょ!梢💢💢💢
桜華、あんた夏服買ってなかったの?」
美夏に聞かれ、桜華は不思議そうに話す。
「夏服?そんな話聞いてないわ。それに、全く暑くないもの。暑ければ脱げばいいし………。何も問題ないわ」
「………………」
桜華の言うことに言葉を失った美夏は、隣で笑っている梢を睨む。
「………💦💦💦
ま……まぁまぁ。帰りにルシウスさんに夏服の事を話に行ってみようよ。もしかしたらわからなかったのかもしれないし………」
「…………わかった。んでもって、ガツンと言ってやるわっ!!」
握り拳を上へ掲げた美夏は何だか逞しく見えた。
最初のコメントを投稿しよう!