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「ウタちゃんウタちゃん。」
放課後、泰士が話掛ける。
「手貸して?」
返事をする前に泰士は詠衣の手を取る。
「やっぱり手も小さい。」
「何…。放して…。」
泰士はギュッと手を握り締めて放さない。
「ウタ。」
「キャー!」
クラスメイトに見られ、大事になった。
「泰士、ウタちゃんをからかい過ぎ!」
「サイテー。」
責められる泰士。
「からかって無いよ。好きだもん。」
「ほら!またそうやって!」
「ウタちゃん行こう。こんな奴相手にしちゃダメだよ!」
「ウタちゃん。キチンと言った方がいいよ。またからかわれる。」
「あ…。」
「迷惑でしょ?」
「嫌でしょ?」
「あ…。」
「もしかして、ウタちゃんて泰士が好きなの?」
「ッヤダ!大嫌い!!」
詠衣は叫んで逃げる。
追い掛けて来たのは女友達だった。
「今ので完全バレたよ。泰士が好きって。本当、ウタって分かりやすい。」
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