仕事

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「お疲れ様です。」 詠衣は納品に来た泰士に笑顔で挨拶する。 まだ気付かないフリのまま。 「あの…斉藤詠衣だよね?」 泰士から切り出してきた。 「ハイ。?」 詠衣は気付かないフリ。 「高校一緒だったんだけど。覚えてない?」 詠衣は泰士をジッと見る。 思い出すフリ。 「あー…あはは。覚えてるよ。泰士。大丈夫。」 「今思い出したろ。」 泰士は疑いの目で詠衣を見る。 「泰士、雰囲気変わったね。カッコ良くなってて気付かなかった。」 考えていた言い訳。 「…ウタは変わんないね。相変わらず小さい。」 「今更身長は伸びないでしょ。いーの。皆小さくて可愛いって言ってくれるから。」 詠衣は発注書を泰士に差し出す。 「じゃぁお願いします。」 泰士は受け取る。 「…皆って?」 「店の人達とかお客様とか。」 「へぇ。相変わらず可愛がられてるんだ。」 「あとは色気がねぇ。」 「ウタには縁が無いものだもんね。」 「ヒドいー。」 詠衣は笑う。 「色気通り越してオバチャンぽい。」 「あはっヤバいヤバい。確かに肩こり酷いし。」 「そうなんだ。」 泰士は詠衣の肩に手を伸ばす。
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