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「ふーん。一月も会われへんかったのに萌は平気なんや・・・」
「平気平気・・・」
「じゃあ、俺なんかおらんかったっていいやん」
「えっ?」
俺は立ち上がってゆっくりと萌に近づいた
「萌は一人でおっても平気なんやろ? だったら俺ら付き合ってる意味ないやん」
萌は大きく目を見開いた。何か言いたそうに唇が動くけど声にならない・・・
もう一息・・・言ってみろって・・・
「光ちゃんやって・・・」
しばらくしてふりしぼるような萌の声がした。
「光ちゃんこそ平気なんやろ?」
真剣に俺を見つめる瞳に肩をすくめた
「そう切り返すんや・・・」
俺は髪を掻き上げてふぅーと一息ついた
「俺のことやなくって、萌の言葉が聞きたいんやけど」
「そんな・・・ずるい」
「俺、ずるいもん」
悪びれずに言い返すと、俺を見つめていた萌の瞳がだんだん下がって行った。
うつむいて皿を抱きしめてる。
「まあ、言われへんわなー」
そんな萌の姿を見てちょっといじめすぎたかな・・・って反省(^^ゞ
「俺も、萌も相当無器用やし・・」
俺はベランダの方に目をやってクスッと笑った。
「じゃあ、俺が代わりに言ったるわ」
「・・・・・・・・」
「光ちゃんがケガしませんように。光ちゃんが病気しませんように。光ちゃんに会いたい。いつも光ちゃんと一緒にいたい。光ちゃんの声が聞きたい。光ちゃんの・・・」
ガッチャン!!!
かなり派手な音がした。
目をあげると萌が真っ赤になってる。手からお皿が落ちて破片が散らばってる。
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