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チャイムが授業の終了を知らせ、みんな家路に着きはじめた。
俺は、朝から担任に頼まれていた荷物を職員室に運びに行った。管理塔への道は長く、思ったより時間がかかった。
再び教室に戻る頃には誰一人として残っていなかった。
荷物を持って階段を下りる。 下駄箱に着いた。
「ちょっと待て。どういう事だよ!」
突然声が響く。俺は足を止め物影から声のする方を見た。
「何だよ。別れるって!」
一人はどうやら男子生徒らしい。三年のスリッパを履いていた。
「だから言った通りよ!あんたとはやっていけないの!」
もう一人は女子だ。顔はよく見えない。
「もう 一生、話しかけないで!」
女子生徒はそう言い残し走って行こうとした。
「ふざけんな!待ちやがれ!」
男子生徒は女子生徒の手を掴んだ。
「痛っ。離してよ!」
そんな言葉を無視す男子生徒は体育館の裏へ連れて行った。
これはまずい…。もしかしたら、もしかすると…
最悪の事態を考え、俺は後をつけた。
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