運命的…

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体育館裏は日が当たらずじめじめしていた。 俺は物陰から二人の様子をうかがった。 手は離されておらず、両手を壁に押し付けられている。 男子生徒が一方的に話しているようだが、遠くて何を話しているかはわからない。 (どうする?このままじゃ状況はますます悪くなっていくばかりじゃねーか) 俺の心の中では助けるか助けないかの葛藤が起こっていた。 (あの場所に入っていった時点で男子生徒とつかみ合いになる事は確かだ。はっきり言って喧嘩には自信なんてない。だが、この場を見て見ない振りをするのも………あーもっ、男ならはっきりしやが……) その時だった。男子生徒が手を振り上げた。 とっさに 「やめろ!!」 俺は叫んでいた。
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