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「あのさ。純平君ってあんまり見たことなかったんだけど…」
沈黙を破ったのは浅香な方だった。
とりあえず一安心だ。
「あ…あぁ 転校してきてな…今は姉ちゃんと二人暮らししてる」
「そうなんだ。学校は慣れた?」
「だいぶな…。友達もできたし」
(あれっ。 意外と会話がはずんでる…。しかも名前呼んでるし)
しばらく歩くと住宅街に入った。そして、一軒の家の前で立ち止まった。
「ここが私の家だから。今日はありがとね」
「別にいいよ じゃあ…」
「あ!それと…」
再び浅香が引き止める。
「名前で呼んでいいから…」
「あ…あぁ じゃあ」
何だか恥ずかしくなった。
いやいや。なんでそうなる必要がある?ないない!
浅香百合……
百合かな 百合さん? 百合チャン?
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