迷子の…

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こっちに来て一ヶ月と半分が過ぎようとしていた。 相変わらずまだまだ寒い日が続く。 日曜日の昼下がり、姉ちゃんに頼まれて買い物を済ませ、帰ろうとしていた。 袋の中には ・小麦粉 ・生クリーム ・卵 ・板チョコ (ケーキでも作るのだろうか?ちょっと楽しみだ) そう思って道を曲がった時だった。 子どもが塀を背にうずくまっていた。腕で顔を隠し、黒い頭だけが見えた。耳くらいまで伸ばしていた。 (女の子かな?) 話しかけることもなく、家路を急ごうと足を速める。 しかし歩けば歩く程心にモヤモヤするものが残る。 振り返ると子どもやはりさっきと同じままだった。
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