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「こんにちはあ」
俺が昏睡から覚めて、ヤスナの病を知ってから3日。
ほぼ体力は回復した俺と入れ替わるようにして、ヤスナは絶対安静の床についた。
…というかつかせた。
せめて布団にいてもらわないと、今にもぶっ倒れそうで気が気じゃない。
「ああ、どうも」
「センリ先生、もう大分良さそうだな」
「ええもう、おかげさまで…体調は元通りです」
「顔色も日に日に良くなる。本当に見つけた時は寿命が縮まる思いだったよ」
この人はキリトの親父と一緒に、俺を森の中から探してくれたおじさんだった。
この村はヤスナを歩き回らせると死ぬと思ってる人が大半で、この人もこうやって自分で出向いてくる。
俺はいつもの薬を渡して、本当は俺がおじさんの家まで行ったら良いんだけど、と言った。
おじさんは笑う。
「いやあ近いんだし、気にしないでくれよ。ヤスナ先生また寝込んでるんだろ?」
「それが俺と入れ違いで…」
「看病疲れか?まあとりあえず、センリ先生が元気になって安心したわ」
元気に、と聞いて、心臓を掴まれるような心地がした。
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