44人が本棚に入れています
本棚に追加
「そんで爺さんは?」
「父様がもうすぐ連れてくるけど、センリ先生手伝って欲しいんだ」
「よし…どこの水路かは大体解ってるから、お前は入って待ってな」
キリトを中に入れて雨の中を走る。
俺が行くまでもなく、2人はすぐそこまで来ていた。
「あぁセンリ先生…すいませんね…こんな雨の中」
「いえ…水路からだったらうちの方が近いから…」
2人も手早く中に入れ、急いで戸を閉める。
ちょっと出ただけなのにびしょ濡れになった。
雨は相変わらず強く吹き付けている。
隣の爺さんは水を飲んだというより、滑ったときに捻挫したみたいだった。
「……こんな日に出たら危ないですよ……ッ…ケホッ」
「どうしても水路が気になってのう…」
「ゲホッ…沈んだらどうするんですか、キリトが泣きますよ」
「そうじゃのう…」
眠くなるようなヤスナと爺さんの会話…。
話しながらヤスナは手当てをする。
俺はびしょ濡れになったキリトとその親父をどうにかしながら、そのやり取りを聞いていた。
最初のコメントを投稿しよう!