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「うわっ」
大嵐でキリトがうちに来た次の日の朝。
外に出た俺は、昨日ヤスナが寝込んでるときに聞こえた音の正体を見た。
「あ…あーあー…」
「あっヤスナ…大丈夫なのか起きて」
「大丈夫」
ヤスナは無惨な姿の屋根を見ながらため息をついた。
でもあんまり困ってなさそうに見える。
「もう本当に修理しないと、今度こそいかんな」
「あぁ…屋根が全部吹っ飛ぶぜ…」
本っ当に心配なんだけど。
中の柱だってよくきしんでるし。
ヤスナの…この落ち着きというか危機感の無さが羨ましい。
そこは流石に兄貴だよな。
屋根の端は大きく折れ曲がって、かろうじて乗っかっているという感じだった。
ヤスナは「まぁとりあえず大丈夫か」と言うと、何事も無かったかのように家の中に入って行った。
…いや…落ち着きがあるとか以前に、本当に大したことだと思ってないらしい…。
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