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たいしたものどころか、何も採って帰れそうに無い。
また歩き出すと、何歩も行かずにまた転んで、今度は背中を強打した。
雪道用の金属でも足につけてくれば良かったか…
絶対そうした方が良かったよな。
ヤスナは今、前からずっと話してる例の傷薬…というか携帯出来る血止め薬を開発するための調合に必死だ…
それにはなんとしても、俺がいつも採ってくる青色の実や葉が大量にいる。
村人たちのためにその他の薬も調合するから、いくら採ってきても追いつかない。
それなのに最近は天災が頻繁で、そのために怪我をして死ぬ村人も多い。
自分で少しでも治療が出来ていたら。
せめて少しでも止血が出来ていたら…
死人が増えてきてから俺たちは必死だった。
ヤスナはそのために眠る時間も削って薬を作っている。
俺はそのために材料を集めてくる。
少しでも多く集めて帰らなきゃ…
そのためには…
一度帰って身支度を整えてから出直そう。
いくら何でも歩きづらい。
幸い奥深くまで入り込んでは無かったので、俺は一度森を出て家に向かうことにした。
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