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立ったときに背中がずきっとして一瞬息が止まる。
でも足は何ともなかったらしく、慎重に歩いて森の入り口までくる。
そこから先は家までのちゃんとした道だ。
短時間で汚れた服を軽く叩きながら、家まで来た。
「……あれ」
中に入ると、さっきまでそこにいたと言わんばかりの形跡がある机と様々な薬草を残して、ヤスナはいなかった。
往診に行ったにしては随分散らかっている…
ヤスナはそういう性格じゃないと言うか…どんな医者もこんなにやりっぱなしでは出かけないだろう。
外にいるのか?
少し不思議に思いながら、奥の部屋の道具箱をあける。
すると近くの窓の外から、遠く何かの音が聞こえた。
……カラカラ…カラ
「……ッゲホ…ゴホ」
…ゴトンッ!!
ゴンッ……バシャッ…
「……井戸か」
なんか不自然な音がした。
俺は道具箱をそのままにして、家の裏にあたる場所に走った。
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