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日頃心配してる人に体調を心配されると、なんか不思議だ。
そういえばヤスナに会ってから、さっきまでの不気味な感じが消えた。
「俺は大丈夫だよ。ただ…」
「ちょっと待て…日陰じゃよく解らなかったが、あちこち泥だらけじゃないか」
「いやその…地面が…」
「あっ…額が少し切れてる。もしかして酷く転んだんじゃ…他に怪我はないのか」
「ないないっありません!大丈夫だって」
第一、自分のほうが人の心配出来る体調じゃないだろー?
ほらまた咳が…
…気のせいかもしれないけど、ヤスナ最近よく咳き込むな…
前より苦しそうに咳するし…
気のせいだと良いんだけど。
「ヤスナこそ大丈夫かよ。薬を開発すんのも確かに大事だけど、本当に無理だけはするな」
「解ってます…」
「例の血止め薬に、材料もまだ足りないんだろう?」
「もう少しなんだ…薄いけど効果は出てる薬は出来た」
「本当か」
その薬が出来れば、ヤスナも少しは安心して休めるだろう。
俺は早くそうなって欲しかった。
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