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俺はその日本当に大したものを取れず、
獣道しかなくなった森に遊ばれた気分で帰ってきた。
ヤスナはいつも通り、
…本当にいつも通りで、
朝に比べたら顔色もずっと良かったし、元気そうだった。
そう…元気そうだったんだ
…気付かなかったって…
気付くわけないじゃないか…
だってヤスナは頻繁に体調を崩すし、寝込むんだよ。
そりゃあ俺は…
ヤスナがだんだん弱ってきているって思ってたけど…
そういう感じがするのは今回が初めてじゃなかったから…
俺が一度帰ってきてまた森に行った後に起こった事は、
今日からずっと後になって俺は知ることになった。
しかもそれを苦し紛れに話したのはキリトだった…
ずっと後の話だ。
「おかえり、センリ」
「ただいま。体調は?大丈夫か?」
大丈夫。
ヤスナはそう言ってからいつものように笑った。
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