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嵐の次の日、外は嘘みたいに晴れていた。
昨日はちょっと先のヤスナ先生の家から俺の家が見えない程の雨だったのに、
今日は俺の家から先生の家がはっきり見える。
「キリト、先生の家にこれを持って行ってくれないかの」
昨日嵐の中外に出て捻挫をした爺さんが、様々な野菜をまとめた包みをよこす。
「わかった。行ってくるね」
ヤスナ先生は昨日少し具合悪そうだった。
先生の双子のセンリ先生はあんなに元気なのに、なんでなんだろう。
父様はセンリ先生たちの父様と話したことがあるけど、でも判らないって言ってた。
「あ、センリ先生だ」
外に出たとき、森に歩いていくセンリ先生が見えた。
あぁーもうちょっと早かったらセンリ先生にも会えたのに。
俺は野菜の大きな包みを抱きしめるように持って、急な坂をゆっくり下りて行った。
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