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とりあえず水持ってこよう。
ヤスナ先生が苦しい咳をしてるとき、センリ先生はいつもそうしてるのを見てる。
水……
えっと……
……井戸!
ってことは、裏かな。
俺はますます苦しそうな咳を始めた先生を置いて、湯飲みを持って裏に回った。
井戸の水は冷たい。
先生たちの家の井戸は裏にあるから、俺の家より冷たい。
湯飲みを割らないように気をつけて水を入れる。
それを気をつけて持って家に入る。
入るとき俺は、すぐ前に広がる森を見た。
あの中のどこかにセンリ先生がいるんだ。
ねぇセンリ先生、いまヤスナ先生大変なんだよ。
俺が助けてあげられるかもしれないけど、すごく怖いよ。
帰ってきて…
帰ってきてよ…。
うちの爺さんが、先生たちは特別な何かで繋がってるって言ってたんだ。
ヤスナ先生が苦しいこと、
センリ先生に届かないかなぁ…。
水を持って家に入った俺は、ヤスナ先生を見て固まってしまった。
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