黙秘【ヤスナ】

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「センリ先生こんにちは。風が冷たくなりましたね」 「そうだな。いつもの薬だろ?中で待ってな、寒いから」 そんな事を言ってセンリは爽やかに笑ってみせる。 センリは全く気付いて無いようだが、そういう素振りが村の娘たちは気になってるんだぜ。 恋文でも来そうだ。 …ってキリトが前言ってた。 あのあどけない顔で、口だけ生意気に尖らせて、 『センリ先生はカッコつけるの上手いからさぁ。本当にカッコ良いからやんなっちゃうな』 なんて言ってたな。 ませ餓鬼。 「ヤスナ先生痩せました?」 「……っえ?そうですか?」 唐突にその娘に言われて頓狂な声が出た。 痩せた……か? どうだろう。でもそうかも知れないな。 「うん…痩せましたよ!ちゃんと食べてます?それかまた大病患って寝込んだのかしら」 「ヤスナ痩せたかな?」 「センリ先生はきっと毎日見てるから気付かないんですよ」 「そうかなぁ」 言われてセンリも私をまじまじと見る。 私は苦笑して、薬を袋に入れた。
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