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うぅ…センリの視線が痛い
そんなに見るな。
考えるな。
「村の人たちはさぁヤスナを間違った細さで思い浮かべてんじゃない?」
「え?」
「だから、本当は元々こんくらい細いのに、思い浮かべる時はもう少し健康的なヤスナを思い浮かべてるってこと」
「えぇー…そうかしら…」
「だってヤスナ痩せた感じしないもん。確かに最近は体調崩しがちだけど」
なぁ?みたいに私を見たセンリに若干びくっとしながら、曖昧に頷いてみせる。
センリ…
本当にそう考えてくれてんなら良いんだけど。
娘は腑に落ちない顔をしている。
そして私から薬を受け取るときに、心配そうな顔をした。
「…本当に大丈夫なんですか、体」
「…大丈夫。ありがとう」
いつも一緒にいる人より、しばらく顔を会わせてなかった人の方が変化に気付くことも、
…あるんだね。
センリはセンリで納得してないし、この子はこの子で納得してないから助かったけど…
娘が薬を持って帰った後、私はほっとして机に向かった。
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