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大丈夫だよ。
それだけの言葉をすぐに言ってあげる事が出来ない。
「…ヤスナ、はっきり言って痩せたと思う…」
「………」
「あと…あと前より頻繁に体調崩すようになった…」
「………」
「最近はずっと…顔色も悪い…食も細くなってる…」
ここまで聞いたとき、正直打ち明けようかと思った。
何も言わなくてもここまで把握されてるんだ。
言ってしまえば楽になる…
だが、
楽になるのは自分だけだ。
「おかしいよな…俺たち同じ親から同じ日に生まれたのに…なんでこんなに不公平なんだ」
「……そうだよな…」
「辛いぜヤスナ…お前は年々弱くなっていくように感じるのに、俺は全然…」
「…逆にそのように感じさせてしまう私も辛い」
「ヤスナ、大丈夫なんだよな?大丈夫だって言ってくれよ。そしたらこの先信じられる」
「…嘘かもしれないぞ?」
私は強がって大丈夫と言うかもしれない。
センリは俯いたままで、
「……ヤスナが嘘なんてつけないことは……知ってる」
と掠れた声で言った。
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