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「……何してるのかな」
「えっ、何してんのかなって、ヤスナ…」
「いや別に無視してるわけじゃないけど、特に何もしてないんだよ」
「楽しいのかねぇキリト」
キリトにとってはヤスナがいる、ヤスナに会えるってだけで良いのかもしれない。
集落から離れてるから村の子供たちとは遊ばないらしい。
偶然、キリトと同い年くらいの子供はこの村にはいないし。
「さて、俺はそろそろ行こうかな」
「気をつけて」
「ヤスナも無理するなよ」
はぁ、みたいな生返事をして、ヤスナは振り返る。
ちょっと寒そうに襟元を寄せながら。
今日の天気は曇り。
季節は秋から冬になってきていた。
「じゃあ行ってく……」
「センリせんせーおはよー」
いつものように外に出ると、ちょっとした丘の上からキリトが手を振っていた。
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