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急な丘の坂道を転びそうになりながらキリトは走ってきた。
手に何か持っている。
「おはよ先生」
「おう。朝早いなお前」
「えっとね…えっと…」
キリトは手に持っている小さな物を両手の中で遊ばせながら、目をきょろきょろさせた。
なんだ?
「あのさ…ヤスナ先生さー…元気?」
「ヤスナ?元気だけど…お前昼間会ってるんじゃねぇのか」
「会ってるけど、先生は俺の前では無理してるかもしれないじゃんか」
「や、そんな事ないと思うぞ。元気だよ」
キリトは俺の顔をじっと見て、窺うような目をした。
よく解らないけど、尋問されてる気分。
な…なんだ?
なんなんだ?
「そっか…なら大丈夫」
キリトはそう言って、手の中の物を見せた。
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