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彼には
良くも悪くも
人に目をつけられる
素質があった
心を入れ換え
何事にも
真面目に熱心に
活動をする彼だったが
そんな彼を見て
疎ましく思う
人間たちもいた
同じ部活の先輩や
顧問の先生
彼にも悪いところは
あったのかもしれないが
殺虫剤に
ライターをかざし
あぶるなどの
度を越した体罰を
幾度も受け
彼の心は再び
荒んでしまう
街に出て
手当たり次第に
喧嘩を吹っ掛け
たまった鬱憤を
暴力で晴らす日々
それでもまだ
光があった
少なくとも
この時点ではまだ
愛を知らずに育った
彼を
愛する女性が現れた
その女性を
愛する気持ちが
彼の中で芽生え
成長していった
悪いひとたちに
目をつけられなければ
彼が
許されざる過ちを
犯すことは
なかったかもしれないが
真っ当な人間として
今も
生活していたかも
しれないが
そうはならなかった
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