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直樹「お、アキラ。悪いなぁ。泊まったり呼んだり。」
圭子「久しぶりー。」
明「ああ、圭子ちゃん。ほんと久しぶり。」
直樹「早速でなんだけど、昨日来たよ。千恵。これから大阪に行ってくるって。帰ったら会社辞めるって?」
圭子「なんか、やっぱり音楽の世界に戻りたいってね。でもお父さんの具合も良くなくていろいろ考えてるらしいよ。」
明「らしいね・・・。じゃ、別れたのも聞いた?」
直樹「うん。昨日きいたよ。お前、何にも言わなかったな。」
明「ああ。」
圭子「千恵、アキラといると幸せすぎて、でも忙しすぎて、楽しすぎて、だからそれでいいかなって思ったり一緒にいると元気が出たりほっとしたり、とにかくいっぱいしゃべってったよ。」
明「そうか。」
圭子「でももう嫌いになったって。嘘じゃなくて本当にきらいなんだってさ。」
明「嘘でも本当でもどっちでもいいよ。もう別れたんだから・・・」
直樹「ま、納得できん、って顔には書いてあるけどな」
圭子「千恵、だんだん言いたいこといえなくなったって言ってたよ。」
直樹「すぐ怒るからな。アキラ」
明「ほっとけ」
直樹「ほら、怒った。」
明「怒ってねーよ」
圭子「本当はアキラに相談したかったんだろうな。いろんなこと。千恵は自分を取り戻したいんだって。」
明「本当は、か・・・。」
圭子「言えないから相談できないし、ま、いい加減にもできないから自分で決めたって事だと思うけど。」
直樹「よっぽどお前よりオトコマエだな。」
圭子「へんな合いの手入れないでよ。直樹!」
明「・・・・でも結局、あいつが一人で勝手に別れるって決めて・・・」
圭子「勝手、かぁ。それ違うと思うけどね。恋愛ってそういうものじゃないかな。」
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