夢と現実と先生と

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教卓に立って、黒板に向いて、授業する先生の姿をずーーっと目で追ってると、私は必ず眠くなる。 あまりにも私には眩しすぎて、可愛すぎる先生だった。 だから、見惚れすぎて眠気がやって来て、オヤスミタイムに入る。 時間帯も悪くて、この先生の授業は大抵が昼からだったから、更に眠かったのもあるけれど。 夢の中の先生は、いつも私を誘惑してくるんだ。 あの艶めかしい唇を動かして 私の襟元を優しく掴んでくる。 『うおぉーー!理性吹っ飛ぶー!!!』 「ね。私でいいの?」 「うん」 「そう・・・。それじゃあ、私だけを見ていてね?」 「うん。先生だけしか見えてない・・・」 甘い言葉で私を誘う。 先生の唇に、私の唇を・・・・・・ と、思った時だった。 私のおでこにただならぬ衝撃が走る。 「いでーー!!!」 目が覚めると、私は爆笑の渦の中にいた。 「きーーみーーはーー・・・。私の授業はそーんなにつまんないかなーー??」 青筋をピクピクさせて、怒りながら笑う先生が、私に向けて発射したチョークが、私のおでこに直撃した衝撃だったのだ。
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