庇護

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翌日。第一内科カンファレンスルーム(症例検討室)。 第一内科の教授森沢は研修医の名前を呼びその後にその指導医医の名前を呼ぶ。 理知的な目、優しげな丸めな輪郭、長めで無造作な髪型、痩せた体型の若い研修医が点呼を待つ。 「近藤進先生」 「はい」 研修医・近藤は意気込んだ返事をする。 「指導医は津田先生」 と教授が言う。 他の研修医の受け持ち指導医を全部告げた後 オールバックのいかにも研究者然とした初老の教授は「指導医な挨拶をして、仕事をして下さい。 若い力期待しています。 できれば入局してほしいと願っています。 では解散」 と言い、カンファレンスルームをそそくさと出て行った。
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