変人変態コンビ

9/21
前へ
/318ページ
次へ
津田のPHSに電話がかかる。 「はい。第一内科の津田です」 「津田先生。 すぐ来てください。 DM(糖尿病)の神部さんが、下肢を熱傷して」 聞きなれた外来看護師の声 「何度?」 「SDB(浅達性Ⅱ度熱傷)です」 熱傷にはⅠからⅢ度まであり、Ⅰ度は少し痛む程度で表皮・角質層のやけどで赤くなる(発赤)だけで、一日二日程度で治療せずに瘢痕を全く残さず治る。Ⅱ度とは赤くなり水疱(水ぶくれ)の形成があり、ヒリヒリと痛む。治療等によっては瘢痕になる事もある。 Ⅲ度はその患部に全く痛みを感じない、真っ黒に炭化した状態で完全に真皮すべてをやけどした状態で、瘢痕は必発 、多少皮膚移植(植皮)が必要なケースもある。上皮化(治癒)には非常な長い治療期間を要する(昔は上皮化しないと考えたため、皮膚移植が必ず必要との認識がセントラルドグマだったが、最近は被覆材で治療すれば時間はかかるが、上皮化する為あまり必要無い事が分かった) 「すぐ行く」 と言って電話を切り、 桑田に言う。 「ちょっくら、外来行ってくるから」
/318ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加