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津田のPHSに電話がかかる。
「はい。第一内科の津田です」
「津田先生。
すぐ来てください。
DM(糖尿病)の神部さんが、下肢を熱傷して」
聞きなれた外来看護師の声
「何度?」
「SDB(浅達性Ⅱ度熱傷)です」
熱傷にはⅠからⅢ度まであり、Ⅰ度は少し痛む程度で表皮・角質層のやけどで赤くなる(発赤)だけで、一日二日程度で治療せずに瘢痕を全く残さず治る。Ⅱ度とは赤くなり水疱(水ぶくれ)の形成があり、ヒリヒリと痛む。治療等によっては瘢痕になる事もある。
Ⅲ度はその患部に全く痛みを感じない、真っ黒に炭化した状態で完全に真皮すべてをやけどした状態で、瘢痕は必発
、多少皮膚移植(植皮)が必要なケースもある。上皮化(治癒)には非常な長い治療期間を要する(昔は上皮化しないと考えたため、皮膚移植が必ず必要との認識がセントラルドグマだったが、最近は被覆材で治療すれば時間はかかるが、上皮化する為あまり必要無い事が分かった)
「すぐ行く」
と言って電話を切り、
桑田に言う。
「ちょっくら、外来行ってくるから」
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