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「ただいまぁ~」
家に着き、いつも通りに玄関から居間に向かうと妹がゲームをしていた。
「おかえりぃ。」
「あんたまたゲームやってるんかい。たまには外で遊べよなぁ。」
「だって母ちゃんいない時にしかこっちのテレビでゲーム出来ないじゃん。」
そうだとしても子供なんだから外で元気に遊ぼうぜ…妹よ…
あ、申し遅れました。
私、高畑桜です。
田舎の中学に通う普通の女子。
周りにはよく普通じゃないとは言われるけど。
「姉ちゃん部屋行くよ。」
「えー…分かった。」
なんだか一緒にゲームをやりたそうだけど面倒だから私は部屋に向かった。
「はぁ…」
深くため息をつき、進路について考える。
紙をもらったとき、みんなはなんか話してたな。
"あたし〇〇高校行きたいんだぁ!あそこ制服可愛いし"
"そんな理由で決めるなんて、お前ジャドーだなぁ"
"俺は□〇校かなぁ。野球強いし。"
〇〇高校?
□〇校?
何処ですか?それ…
正直なとこ、心ん中はそんなこと思ってた。
「希望も何もなぁ…」
そう。
私はどんな高校があるか、ましてや高校の名前すら知らなかったのです。
そんな私に希望を聞くなんて馬鹿馬鹿しい。
けど、真面目に考えなきゃいけないんですね。はい。
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