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高校に入学して一ヶ月が経つ頃、私は呼び出しを受けて朝早くから学校に来ていた。
「鈴宮さん、俺と付き合ってくれない?」
「…ごめんなさい」
私は深く頭を下げた。
「そうか…。ゴメンねこんな早くから呼び出して。
じゃあね」
そう言って、男子生徒は去っていった。
「…ふうっ」
私はいなくなった事を確認してから頭を上げ、小さくため息をついた。
やっぱり慣れないな~。告白されるのって。
私は鈴宮紗智(スズミヤ サチ)。真っ黒でストレートな長い髪。身長が150センチジャストで、顔も童顔な為かそこそこモテル。
まぁそれも今だけかな。この外見から「おしとやか」「大和撫子」って思って近付いてくるのは、性格知る前だけだし。性格は大雑把でおしとやかとは程遠いですから。
…まだ時間あるし、朝練に行こうかな。
私は入学して直ぐに弓道部に入った。中学からしてたから直ぐにでも射てるんだけど、決まりとしてインターハイ予選が終わるまで一年生は力付けと呼ばれる筋トレしか出来ない。でも経験者は朝練だけはしていいと言われているので、私は道場へとやってきた。
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