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執事と主
執事の朝は寝起きの悪い主を起こしに行くところから始まる。
その執事は二階に上がり、二手に分かれている右側の奥にある部屋に行った。
コンコンとノックをし
「お嬢様、朝でございます。」
………無反応
「お嬢様、約束のお時間です。中に入りますよ?」
キィとドアを開いて中へ入り端にあるベッドに寝る主を起こす前に閉めきったカーテンを開けて日差しを入れ込んだあと、主であるお嬢様を起こしに掛かる。
「実春お嬢様、朝でございますよ?起きて下さい」
「……冬真か、あと少しだけ寝かせろ……」
主はベッドに丸まり小さな声で言った。
「駄目です。貴方はいつもそういっての繰り返しでしょう?さて起きますよ」
毎週毎日、この有様。
寝起きの悪さはさほど酷くはないのだが、そのあとが大変なのだ。
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