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「人間関係の攻略本」
そう書かれた本を、
本屋さんで見つけた。
その本の前には人だかりができている。
皆、
不安でしょうがないのだ。
人と、どう向き合えばいいのか
どうすればトラブルがなくなるのか
私とどう向き合うのか
誰にも何も解らないから。
その本の中に書いてあることが、
気になってしょうがないのだろう。
でも私は、その本を開かず
本屋を出た。
厚さ１８センチの本に、
何ページが入っているのだろう？
いくつの文字が書かれているのだろう?
たくさんのページや文字は
きっと私にも教えてくれる。
人間関係をうまくやりくりする方法を。
私は本屋を出て走った。
その本がどんなに正しかったとしても、
その本をみんなが持ってたとしても、
私はその本を買わないだろう。
だって
この世には６３億程の人がいて、
皆１人１人違うのに、
どうしてたった１８センチの本に
その「攻略法」を書くことができるんだろうか。
たとえ、
その本が厚さ１メートルを超えてるとしても、
しっかりと約６３億パターン書いてあったとしても、
私はやっぱり買わない。
だって私は知っている。
人間関係に「攻略法」なんて
ないという事を。
だからこそ、
人間関係は難しいんだ。
毎日毎日、
誰かがしんで
誰かが生まれている。
そんな世の中に、
正しい「攻略法」なんて
ありはしない。
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