プロローグ

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最高学年の3年になって早くも4ヶ月がたっていた。 全ての部活が夏休みを返上し厳しい練習に望んでいる。負けたら引退の試合が迫っているのだ。 自転車にのって練習に向かう萩原颯太はサッカー部のキャプテンだ。今日で夏休みは終わりだ。毎日あった厳しい練習も今日で終わりを迎える。 「颯太も練習かあ?」 偶然出会ったのは、俺の親友の宮 拓哉だ。拓哉はバスケ部のキャプテンである。 「うちらもそろそろ引退だな」 と拓哉が呟き自転車をこぐ。これが颯太と拓哉が交わした最後の会話だった。 厳しい練習が終わり、サッカー部の友達と一緒に帰宅をする。 「そういえば校長がなんかしらんけど失踪したらしいぜ」 と輿石直樹が話を切り出した。もう俺の耳には入っていた。校長は大量の借金を抱えていたのだ。 「明日から学校大丈夫かなあ」 と言うのは森利一だ。俺、直樹、利一はとても仲がよい。毎日部活のあと一緒に帰っている。 「んじゃまた明日なあ」 と自宅につく。 校長が変わったところでなにも起きないがなにか引っかかるところが俺にはあった。拓哉の様子だ。いつもよく喋るあいつが…。あまり考えても仕方ないから今日は早めに寝るとこにした。 翌日学校にいくとやはり校長が変わっていた。 たいしたことではないが全校集会が行われた。 校長が口を開く。 「我が中学は部活がとても盛んで他の中学より優れている。しかし、勉学もそれくらい頑張ってもらいたい。」 生徒が静まりかえる。 「それと各部活のキャプテンは会議室に昼休みに集合してください。 以上。」 ざわめきが残る体育館。すべてはここから始まった。
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