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「で、お前は何がしたいわけ?」
ぶっきらぼうに言葉を投げかける黒猫。
「ネネ」
「は?」
いきなり意味不明の単語をあげられ、黒猫の頭にはハテナマークが浮かんだ。
「僕の名前。お前じゃなくてネネ」
ぎこちなく喋る白猫ネネ。それを聞いてやっと黒猫は言葉の意味を理解した。
「あぁ~わるかった。じゃあネネ、お前はこれからどうしたいんだ?」
「名前は?」
「は?」
「君の名前」
どうやらネネは黒猫に喋らすつもりはないらしい。若干の苛立ちを覚えつつも、自分の名前について思考をめぐらす。そう、黒猫には名前が無かった。生まれも育ちも野良だったため、名前など持ち合わせてはいない。
どうしたものか。
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