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「今日、遅くなるね」
廊下でのすれ違い様、実梛は匡姫の耳元で囁いた。
「あ?」
いきなりなもんだから、咄嗟に出てしまった言葉に、匡姫は慌てて口にチャックした。
「なんだよ、急にっ」
「ごめん、だって急に会議が入るんだもん」
「メールすれば良いだろ?」
「…あ、そうか」
「…………」
相変わらずな彼女のドジ振りに溜め息しながらも、匡姫ははいはいっと手を振る素振りを見せた。
今日は半日。タイミング良いのか悪いのか、帰宅部な自分からしてみれば有意義な時間がくつろげる。
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