ラストラン

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重い腰を上げた瞬間。 電話のベルが鳴り出した。 リンリリリリリン 事務所には他に誰も居なかったので、昇が受話器を取る。 「はい。内山です。」 「あぁ、昇くんか? わしや、美浦の須貝や。」 電話口の相手は、付き合いのある中央の調教師だった。 独特のかすれた声は昔から変わっていない。 父の代からの付き合いで、昇が小さい時から知っている。
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