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「はぁー、ここかっ!!」
俺は少し昭和の匂いがしそうなアパートを仰ぎみた。
空は快晴。風、微風。
少し前のことを思い出す。
初めて一人で乗った新幹線は結構怖かった。
俺は、うんざりするほど座ってギシギシいう体を伸ばし、新鮮な空気を吸い込む。
俺は天上陸。
無理言って親の反対を跳ね退け、かなり遠くの高校を受けた。
といっても田舎に住んでた俺は、近くに高校などなく、仕方なくという感じだ。
とりあえずここで突っ立っててもしょうがないので、自分の部屋に向かうことにした。
「えーっと…」
親から渡された紙を確認する。
203号室、なんにも面白みのない数字。
もう鍵を持っているので、大家さんに会う必要はないが、一応挨拶に行く。
ちなみに大家さんは101号室。
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