お引越し

3/8
前へ
/74ページ
次へ
インターホンを鳴らす。 はーいと中から若い女性の声。 思わずドキドキする。 ドアが開いた。 「はい……あら?どちら様ですか?」 出てきた女性は俺を見て首をかしげる。 10代後半に見え、艶のあるロングの黒髪。整った顔立ち。 俺は顔が熱くなった。 「き、今日からここに住まわせて貰うことになった天上です!」 つい声が大きくなる。 喉が渇いて水を執拗にほしくなった。 「あーはい、母から聞いてます。同じ学年の男の子が来るとか。 私は御手洗菜月です。名字が少しコンプレックスなので、名前で呼んで下さいね」 菜月と名乗った女性はほんのり顔を染めて笑った。 同じ学年…か。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4953人が本棚に入れています
本棚に追加