お引越し

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俺は心が浮いたような気分がした。 「は、はい。じゃあ菜月さんで。これからよろしくお願いします!!」 俺は深く頭を下げた。 「ふふっ、こちらこそよろしくお願いします。では」 菜月さんは再度微笑んで、ドアを閉めた。 まだ顔が熱く感じる。 …今度ご近所周りの時、粗品でもあげに行こうかな。 さっきと比べて神秘的に見えるドアをぼーっと眺めた後、階段をのぼって2階へ向かう。 まだ冷たい3月の風が肌へ突き刺さる。ううっ寒い。 俺は部屋番号を見て203号室を探した。 あっ、あった。階段から1番奥。 鍵穴にそろりと鍵を入れた。捻るとガチャリと音が鳴る。 …父さん、母さん。俺これから一人で頑張るね。 そんな思いを秘めて俺は中に入った。
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