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舞踏会
「ごきげよう,ミス・アール。どうかしら?私の舞踏会は?楽しんでもらえてるかしら?」
アールは目を細くした。そう…ドルチェ・ルナ―が嫌いなのだ。
だか,顔に出さず振る舞うのが淑女のマナー。
目は笑ってないけど。
「えぇ,もちろんよ,さすがね」
社交会シーズンで嫌いだろうがなんだろうが親の付き合いとならば仕方ない。
「貴方は今日,お一人で?」
「父と来ましたわ」
ドルチェが鼻で笑った,
「さすがねぇ,"氷りの薔薇"」
ピクッとアールの眉毛が動いた,
「ありがとう,そう呼んでもらえて光栄だわ,"キャット"」
「!!!!!!」
「失礼するわ,ミス・キャット?貴方は忙しいモノね?」
嫌味たっぷりの笑顔を渡すと頭を少し下げて,人ごみの中に消えた。
「キィ―――!!!!!」
ドルチェは唇を噛んだ。
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