コインロッカーベイビー2

6/8
前へ
/1463ページ
次へ
瞬間、脳裏をよぎるのは昼に友人から聞いた噂。 コインロッカーの前に浮かぶ赤ん坊。 それに思い至った途端、全身にゾクリとした悪寒が走った。 同時に、それまでは欠片しか聞こえなかった赤ん坊の泣き声が、確実に大きくなっている。 そして、コインロッカーの方から来る異様な気配。 (…………見ちゃ駄目) 本能も理性も、見てはいけないと警告している。 (駄目……見ちゃ駄目………) しかしそんな思いとは裏腹に、首は徐々にコインロッカーを振り向こうと捻れていく。 (駄目…………駄目…駄目………嫌だ……駄目……嫌だ嫌だ駄目駄目駄目嫌だ駄目嫌だ駄目嫌だ駄目駄目嫌だ) 完全に、振り向いた。 振り向いて、しまった。
/1463ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7680人が本棚に入れています
本棚に追加