オラが村の機械オタク

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洗面所を出ようとして鏡の中の レオナルド・バーバジルと 目が合う 薄緑の双眸は、 鏡を見つめながら 別の物を映している 「ケイティ…。」 自分をわかってくれる隣人で 一番大好きな親友 僕はそんな君の望みを ちゃんと叶えられて いるのだろうか? 洗面所から出ると いつも作業に使っている 倉庫に即席の テーブルセットが出現していた 「それ直したばっかの テレビなんだけど。」 「テレビって……、 通信局もないのに テレビだけあっても 何に使うのよ?」 何年か前に起きた内戦で 真っ先に壊されたのが 通信設備だった 爆弾での直接攻撃から 妨害電波の大放出と 公・民問わずに壊されて こんな田舎の村では テレビの電波なんて 受信できなくなっている。 でもそのテレビ パーツを探すのに一月も かかったんだぜ? まぁどうせ使わないから いいけど。 そんな事を考えたが 口には出さない 出してみて意見が通った事など 一度もないからだ
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