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急いで立ち上がりたいが
もしもまだ周りに
敵がいたらすぐに
やられてしまう
もしかしたら
倒れていたおかげで
『撃破されている』と
勘違いしてくれている
可能性もあるのだ
ソーマはもう戦う気力など
どこにも残っていなかった。
ただただ逃げ出して
安全な場所に行きたかった。
『……全システム起動
味方の識別信号を送信開始。』
「ま、待て中止しろ、
先に周囲の状況把握だ。」
慌てて支援用の
コンピュータに作業の
中断を命じる
味方が近くにいるなら
助けてもらえるが
敵の真ん中にいたら
肉食獣の中に投げ入れられた
生肉の様にたかられて
ズタズタにされてしまう
それは決して
大げさな話ではない
敵の只中に取り残されれば
降伏したとしても
生きていられる保証はない
コクピットを一撃で
破壊されるの奴は運が良い
さんざんなぶられた後
最後は機体から
引きずり出されて
ミンチにされた同僚を
彼は知っていた。
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