オラが村の機械オタク

1/16
前へ
/120ページ
次へ

オラが村の機械オタク

山間にある狭いながらも 平たい土地に ピースと呼ばれる村があった ジャンク・ピース ごみ山の欠片と 呼ばれるこの村はその昔 壊れた機械を山に捨てる ゴミ捨て場だった場所だ 平たい土地一杯に ゴミの山が築かれて ゴミが捨てられなくなると そのゴミ山から まだ使えるパーツを探して 再利用する人達が集まり 小さな村を作った だからジャンク・ピース ゴミの欠片と ゴミだからこその平和を かけた村の名前 しかしそれも昔の話 村の名前が昔の事なら 村の事情も昔々に 変わってしまっていた 莫大な機械の山も 数が多いのであって 無限ではない 再利用に次ぐ再利用で 使えるパーツは 残らず発掘し終わり 後は本当のゴミ山だけが 残っていた。 探せば有るだろうが 手間を考えれば 赤字になるからと言えば わかるだろうか。 使う労力と得られる富の バランスが逆転すると それまで集まっていた人間も 新しいジャンクの山に向かって 村を去って行った
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

185人が本棚に入れています
本棚に追加