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「――金だらけ……ヨウってこんなに金集める奴だったのか?」
金髪の少年が積み重なるスーツケースを見ながら、茶髪の少年に言った。
「そんな人じゃないと思うけど……。でも、並の組織でもこんなにたくさんはないだろうね……」
茶髪の少年が言って、オフィスを見渡した。要の仕事場のオフィスだ。ここに二人の少年はやって来て物色していた。
「お、ルカ、ルカ!見ろよ!」
何かを発見して金髪の少年が茶髪の少年を呼んだ。
「何があったの?」
だが、茶髪の少年はばっと広げられたポスターに赤面して顔を逸らした。ポスターは水着の美女のものだった。どこかの海岸で、非常に際どい水着を着用している。
「ヴィーゴ君、何見せるの!?」
茶髪の少年が言い、ホルスターから二丁の拳銃を抜いた。連射してポスターを撃ち抜いて行くと、すぐに美女のいた所に大きな穴が空いた。
「ルカ……お前、すぐに発砲する癖は直せよ?」
「……ヴィーゴ君だって、色に溺れないようにね」
互いに指摘すると、少しだけ気まずい雰囲気になったが、すぐ茶髪の少年が無残なポスターを投げ捨てた。
「色に溺れるって、普通言うか?」
「分からない……」
言葉を交わすと、すぐに笑顔になる仲のいい二人だった。
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