惚れた欲目

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部活が終わり、俺は愛しい彼女の待つ図書室へと向かう。 図書室へ入ると、『えっと、これがこうだから…こうなるのかな?。』窓際の席に座り、いつものようにブツブツと独り言を言いながら美咲が参考書の問題を解いていた。 独り言が出ているということは、解いているのはおそらく美咲の苦手な数学か英語ってとこだろう。 何かに真剣になると本人も気づかないうちに独り言が出るらしく、俺がゆっくり近づいても美咲は全く気づく様子はなく参考書と格闘しながらの独り言は続く。 美咲のこういうところを不二や菊丸は“美咲って天然だよね”と言うが、それも可愛いと思ってしまうのは俺の惚れた欲目か。 「その問題は、こっちの公式を使うんだ。」 『えっ?。ありがとう。じゃなくて、国光くん、いつの間に来てたの?。』 「さっき部活が終わってここへ来た。美咲があまりにも真剣に参考書に向かっていたんで声をかけなかった。」 後ろから急に声をかけられ、驚いて俺を見る美咲にそう答える。
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